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活動レポート

【3.3 シンポジウム開催】のご報告

今春、出版予定の『ジェンダー・クオータにおける新しい政治~効果と検証』を記念して、2024年のシンポジウム「~『ジェンダー・クオータにおける新しい政治~効果と検証』の出版を記念して~ 女性が変える世界の政治」をオンラインで開催しました。

シンポジウムの概要

【モデレータ―】

三浦まり氏 上智大学 法学部教授、(一社)パリテ・アカデミー共同代表

【登壇者】

杉山知子氏 愛知学院大学 総合政策学部教授

王貞月氏 西南学院大学 非常勤講師

武田宏子氏 名古屋大学 大学院法学研究科教授

【コメンテーター】

小川有美氏 立教大学 法学部教授

20244月刊行予定の『ジェンダー・クオータがもたらす新しい政治-効果の検証』の出版を記念して、シンポジウムが開催されました。本書は各国で実施されているジェンダー・クオータがどのような影響を社会に与えているかを検証しております。取り上げる国はメキシコ、アルゼンチン、フランス、台湾、韓国、イギリス、ルワンダ、(コラムでアメリカ)です。

編者の三浦まり氏より本書の概要について説明をされた後、著者の杉山知子氏、王貞月氏、武田宏子氏から各国のジェンダー・クオータの状況についての報告を行いました。

杉山知子氏はアルゼンチンの事例を報告されました。クオータ制導入における困難と人工妊娠中絶問題などの女性の人権にかかわる問題で起きた社会的な変化について解説されました。

王貞月氏は台湾の事例を報告されました。クオータ制導入の過程に加え、女性議員候補を育成する政治的実践について解説されました。

武田宏子氏はイギリスの事例を報告されました。「女性指定選挙区」導入が女性議員割合を増やすのに一定の効果を果たしており、同時に優秀な議員を増加させる効果もあると解説されました。

いずれの報告もジェンダー・クオータの制度に加え、それにかかわる社会的な変化や今後の課題について触れており、今後の日本でのクオータ制導入の議論に資するものであると思われます。

参加された方からの感想、ご意見(アンケートより。一部抜粋)

〇本で扱われる最新の情報に加え、イギリス視察での印象や最新情報までご発表いただき、とても興味深く拝聴しました。中でも印象に残ったのは、台湾でビルの2フロアを使って活動している女性センターが、女性の日常の相談から政策提案まで実施しているという情報でした。情熱的な台湾の女性たちを日頃から尊敬していましたが、国連加盟が果たせなくても、国連の条約に目配りし制度に活かし、より良い女性の政治参加と民主主義の実現に取り組んでいる様子を、眩しくうらやましく思いました。日本で台湾にあるような団体をどうしたら機能させることができるか、できたら良いのに、と思いました。

〇これまであまり知らなかった国々のクオータ制について、背景も含めて知ることができ参考になりました。

〇最新の研究成果をタイムリーに聴けて良かったです。

〇クオータ制度に関心がありました。国際的に比較してお話を伺う機会を得ることができました。日本の状況を踏まえて社会的な合意を醸成していく必要を感じました。

〇海外の状況がよくわかり国内の状況と比較出来て良かったです。

〇外国のジェンダー・クオータ制をお聴きできて良かったです。

 〇クオータ制度が世界137ヵ国で実施されていること、アルゼンチン・イギリス・台湾での導入の解説やコメント、特にイギリスのような小選挙区制度の国でも女性指定選挙区の設置などクオータの導入が可能なことなどを知ることができました。また日本で実現するための「壁」の話から必要な活動は何かを考えさせられました。

アンケートへのご協力、ありがとうございました。

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