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【ジェンダーギャップ指数2023年 公表】日本は125位 過去最低

20236月に発表されたジェンダーギャップ指数2023年では、日本は146か国中125位で過去最低になりました。

年々、順位を落としている日本。世界では最下位レベル

日本は2006年には117カ国中79位、2010年は134カ国中94位、2018年は149カ国中110位と年々調査対象国が増える毎に順位を落としています。表はG7並びにアジア太平洋地域の主な国について、2006年の全体順位と2023年の領域毎とのジェンダーギャップ指数を比較したものです。

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G7では、日本だけが、100位以下に落ち、圧倒的に最下位です。政治分野におけるパリテ(平等)法を成立させ、議席を男女半々にしたフランスの躍進が目立ちます。また、アジアにおける主な国と比べても、フィリピン16位、タイ74位、韓国105位、中国が107 位と日本よりは上位です。南アジア諸国は全体的に低いのですが、インドは127位と日本よりはやや低くなっています。

政治・経済が低評価、順位に大きく影響、その原因とは

4領域の算出基礎と2023年の領域および内訳における日本の順位は以下の通りです。

政治 138

 ・国会における女性議員割合 131

 ・大臣における女性割合 128

 ・国王・大統領など過去50年間における国のトップの女性の在籍年数など 80

 ※過去50年間国のトップに女性がいなかった国66カ国はすべて80

日本より順位の低い国は、フィジィ、オマーン、ミャンマー、ナイジェリア、イラン、レバノン、バヌアツ、アフガニスタンで、女性議員が0、12名の国も多いです。

経済分野 123

 ・労働力率 81

 ・同じような仕事内容における賃金格差 75

 ・収入格差 100

 ・管理職率 133

専門職率については、毎年、日本はデータが無いのですが、入れば経済分野の順位はさらに下がると思われます。

教育 47

 ・識字率、初等教育、中等教育在籍率 1

 ・高等教育(大学、大学院)の在籍率 105

日本の全体順位は毎年前年より低くなっていますが、2021年は、156カ国中120位、2022146カ国中116位と2021年よりやや上がりました。その要因を調べたところ、教育分野の順位が2021年は、92位だったのですが、2022年は1位(1位が22か国)に上がっていました。なんと2022年には、日本は高等教育における男女格差の数値が入っていなかったため、順位が大幅に上がっていたのです。しかし、2023年には高等教育在籍者における男女格差も入り、日本の教育分野の順位は47位に下がりましたので、全体の順位も125位とこれまでで、最下位になりました。

保健 59

 ・出生率 1

 ・平均健康余命 69

日本人女性の平均寿命は世界1位ですが、健康寿命になると順位が落ち69位となるため、保健の順位は59位です。

中国の保健の順位が低い主な要因は、出生児に女の子が少ないことが、主な要因になっています。特に農村部では胎児が女の子の場合、中絶が多いことが影響しています。インドでも、女の子はダウリが必要ということで女の子の胎児は中絶していましたが、近年、やや改善されています。

政治参加・経済参加分野の抜本的改善が求められる

これで明らかなように、ジェンダーギャップ指数において、日本の順位を落としている大きな要因は、女性の政治参加と経済力の低さです。衆議院における女性議員割合、大臣における女性割合をもっと増やすべきです。さらに、管理職比率及び平均賃金の向上達成には、抜本的な改革が必要です。政治参加については、国会における女性議員割合を列国議会同盟が、毎月調査しています。2023年7月1日現在の日本の順位は、衆議院10.3%で185カ国中164位。日本以下の国々は、南太平洋、中近東の国々が大半です。

日本における女性の政治参加、経済参加は、女性人権機構の課題でもあり、取り組む必要があります。

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